肩甲骨付近に張りやこり、違和感がある人へ。原因は肩甲骨だけではないかもしれません。

「肩甲骨の内側がいつも張っている。」
「マッサージを受けても数日で元に戻る。」
「肩甲骨を動かすストレッチをしているのに楽にならない。」
このようなお悩みで来院される方はとても多くいらっしゃいます。
もちろん肩甲骨周囲の筋肉が硬くなっていることはあります。
しかし、その筋肉だけを緩めても改善しないケースも少なくありません。
実際には、肩甲骨は単独で動いているわけではなく、骨盤・背骨・肋骨と連動しながら働いています。
つまり、肩甲骨周辺の違和感は「肩甲骨が悪い」のではなく、身体全体のバランスが崩れた結果として現れていることが多いのです。
肩甲骨は「浮いている骨」
肩甲骨は、鎖骨を通して体幹につながっている特殊な骨です。
骨盤のように関節でしっかり固定されているわけではなく、肋骨の上を滑るように動いています。
だからこそ、肩甲骨が自由に動くためには、土台となる体幹が安定していることが欠かせません。
例えば、骨盤が前に倒れすぎたり、反対に丸まりすぎたりすると、その上に積み重なる背骨や肋骨の位置も変化します。
すると肩甲骨は本来の位置を保ちにくくなり、周囲の筋肉が常に頑張って支える状態になります。
その結果として、
・肩甲骨の内側が張る
・肩甲骨の間が痛い
・肩がすくんでいる
・首までこる
という症状につながっていきます。
肩甲骨の問題に見えても、本当の原因はもっと下にあることが珍しくありません。
肩が上がってしまう人の身体で起きていること
「肩の力を抜いてください。」
施術中によくお伝えしますが、肩が上がっている方は自分では下げているつもりでも、すぐ元に戻ってしまいます。
これは意思が弱いからではありません。
身体が「肩で腕を支えないといけない」と判断しているからです。
腕は片方だけでも数kgあります。
本来は体幹や胸郭、肩甲骨が協力してその重さを支えています。
ところが、骨盤や背骨が十分に働けなくなると、その役割を肩周囲の筋肉が代わりに引き受けます。
すると僧帽筋や肩甲挙筋などが休むことなく働き続け、肩が上がった状態が身体の「普通」になってしまいます。
この状態では、いくら肩を揉んでも、また同じ筋肉が頑張るため、こりを繰り返しやすくなります。
当院では肩だけを施術することはほとんどありません
肩がつらいからといって、最初から肩を強くほぐすことはほとんどありません。
まず確認するのは、
・骨盤は安定しているか
・仙骨は動いているか
・背骨はしなやかに動けるか
・肋骨は呼吸に合わせて広がるか
・肩甲骨は肋骨の上を滑らかに動けるか
・腕の重さを体幹で受け止められているか
といった、身体全体の連動です。
必要に応じて、骨盤や仙骨、背骨、肋骨などへアプローチし、身体が本来の動きを思い出せるように施術を進めていきます。
すると、今まで肩だけで支えていた腕を、身体全体で支えられるようになり、肩甲骨周囲の筋肉は自然と頑張らなくて済むようになります。
「肩を下げよう」と意識する必要はありません。
身体の土台が整えば、肩は自然と本来の位置へ戻ろうとするからです。
まとめ|肩甲骨だけを見ても、原因は見つからないことがあります
肩甲骨付近の張りやこりは、肩甲骨だけの問題ではありません。
骨盤、背骨、肋骨、肩甲骨はすべてつながり、一つのチームとして働いています。
どこか一か所が働きにくくなると、その負担を肩甲骨周囲の筋肉が引き受けることがあります。
だからこそ、肩だけを繰り返しほぐすよりも、「なぜ肩が頑張らなければならなくなったのか」を見つけることが大切です。
長年続く肩甲骨周囲の張りや違和感でお悩みの方は、一度身体全体のつながりという視点から見直してみてはいかがでしょうか。
肩を変えようとするのではなく、肩が頑張らなくてもいい身体を目指すことが、根本的な改善への近道になるかもしれません。


